友達にお金を借りた時の申し訳ない話
あれは大学生の頃。アルバイトなどもまだまだ始めてで、正直、計画性のあるお金の使い方が何なのかなんて、まったくわかっていませんでした。
たまたま稼ぎが良かった月などは、まとまった金額のお金が入ってきたのが嬉しくて、テンションが上がったままガンガン使ってしまったりという失敗もしてきました。
気がついたら帰りの電車賃が全くない
そんな中、同じ学校の友達と遊びに行ったのですが、食事に行ったときに後先考えずにお金を使ってしまい、気がついたら帰りの電車賃が全くないという状態になってしまったのです。
「どうしよう、お金が今全然なくて家に帰れない」なんて恥ずかしくて言えず、ずーっともじもじしながら、友達と一緒に夜の街をぶらぶら歩いていました。
でも、とりあえずお開きにしなければいけない時間になり、ふと思いつきました。交番です。「確か、どうしても困っているって言えば、電車賃くらいは貸してくれるらしい」という聞きかじり情報があったので、「ゴメン、トラブルが発生したから、私、今から交番に行く。だから先に帰っていいよ」と、友達には伝えたのです。
ところがその友達、「どうしたの!?」と本気で心配し始めてしまい、あまりにも詳細を聞かれたので、渋々打ち明けるハメになってしまいました。
本当に恥ずかしかったですが、その友達は笑って、「何だ、そんなことなら先に言ってくれればよかったのに」と、快く電車賃を貸してくれたのです。この時の有り難みは本当に身に沁みました。
そんな友達の心遣いで、何とか無事に家に帰れたのです。
しかし!これで終わらず、この話には後日談があります。
返したくても返せなかった
次に会った時にお金を返さなきゃと思って、学校に行く時持ち歩いていたのですが、何とその友達が学校を中退して引っ越ししてしまったのです。
何か事情があるのか、その後、音信不通になってしまって、気がつけばもう10年以上経ってしまいました。今だに返せていないままです。
わずかな金額とは言え、人様から借りたものを返せないというのは、何とも後味が悪く、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。本当に困っていた時に貸してくれて、それが有り難かったからこそ余計に感じます。
会う機会があれば、返したい気持ちが今でもあります。