借金して遊ぶという感覚が理解できない
借金してインド旅行に行くカップル
数年前にインドを旅していたときに、若いカップルに出会った。
なんとなく「なぜインドに来たの?」と聞いてみると、「いちばん安かったから」と言う。
もちろん、それは全く問題ない。
でも彼らは続けてこう言った。
「クレジットカードで借りれるお金には限界があるもんね」。
借金して遊ぶという感覚が理解できず、返事に困った。
消費者金融の無人ATMから家族連れが
少し前のこと、某消費者金融の無人ATMから楽しげに家族連れが出てきた。
若い夫婦と、抱っこされているのは1歳くらいの赤ちゃん。
借りたあとなのか返したあとなのかはわからないが、ギョッとした。
つい最近、法律事務所が過払い金返還請求の顧客を集めるためのセールストークを目にする機会があった。
「お友達で、クレジットカードをお持ちの方はいらっしゃいませんか?」というもの。
クレジットカードを持っていない人が周りにいないので、まったくピンと来なかった。
これらの経験を通して、わかったことがある。
類は友を呼ぶ
類は友を呼ぶという言葉があるが、気軽にお金を借りる人たちのコミュニティがあるのだ。
簡単にお金を借りる人たちの周囲にはクレジットカードさえ作れない人も多く、クレジットカードを作れる=手持ちが不足すれば借りる、という感覚も当たり前らしい。
わたしはセレブでもなんでもない。
元会社員で、いまは世帯年収が1000万円に遠く届かない一般家庭の主婦だ。
貯金がないという友人は、少数派ながらそれほど珍しくはない。
給料日前に銀行の残高が1000円になってしまった!と言う人もいるし、国民年金も健康保険も払ってないよ!という不届き者もいる。
でも、お金がないから借りたという人はいないし、借金を頼まれたこともない。
家と車以外を分割払いで買ったという話も聞いたことがない。
もしかしたらキャッシングをしている人もいるのかもしれないが、打ち明けられたことはない。
つまり、少なくとも「借金は恥ずかしいことだ」という共通認識があるのだ。
お金に困ったら借りればいい、という感覚があるとしたら、本人の価値観というよりも、彼らが属するコミュニティ全体の問題だと思う。